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凡庸な老人のマスターデュエルの感想

取り敢えず褒めたいところと、使用デッキについてと、紙と比較して何を楽しんでいるかという観点で書いてみようと思う。

感想なので、具体的な攻略については直接聞いて頂くか、何ならTLで見かけた困っている人に勝手にお節介をしている。今回はあくまでマスターデュエルを遊んで思った事を書いている。


・褒めポイント

これだけ遊ばれているので大成功である事に間違いないけど、オフで遊んできた自分にとって一番イイなと思ったのはDUEL LIVE

強いか弱いか分からない誰かさんのデュエルのリプレイを見られるシステムなんだけど、オフラインゲームがオンライン化する時に必ず言われるデメリットが、その辺でやってる他のプレイヤーとか友達のプレイを見る機会が無くなってしまう事。ゲーセン界隈でも人気の話題。

ツイッターだけでマスターデュエルを遊んでいたら、エルドリッチとドライトロンと鉄獣と、自分をボコボコにしてくる訳の分からないオタクしかこの世にはいないんじゃないかと思ってしまうだろうけど、DUEL LIVEでは皆好き勝手デッキを作っているし、この世にはまだまだ知らないカードやデッキがあって、そいつらは十分に強いし選択肢が無限にあるワクワク感を教えてくれる。これはガチガチにゲームバランスを整えて出てくるDCGと比べて、マスターデュエルの長所である事をコナミは分かってやっているだろう。

そしてそのDUEL LIVEを観戦する事をデイリーミッションに組み込む事でしっかり誘導している。
マスターデュエルから遊戯王始めた友人が、DUEL LIVEつけたらずっと見ちゃうよね、と楽しそうに話しているのを聞いて、一瞬遊戯王おじを感動させる仕込みかと疑いつつ静かに涙を流した。
これが、我々が夢見たあったかい遊戯王OCGの世界か…


・圧倒的プレイヤー数

マスターデュエルは1000万DLを達成したらしい。

私の現在の交友関係の半分くらいは遊戯王で出来ているくらい、私のゲーマーとしてのルーツは遊戯王で、遊戯王=この世で最高峰のスキルキャップとエキサイティングさを持ち合わせたカードゲーム。みたいなイメージを持っているが、金銭を賭けた大会に出ていた我々のような人種はマスターデュエル全体で見ればほんの一握りで、実際は友達とやってたとかカードだけ今でも買ってるとかアニメは見てるとかそういう人が99%以上を占めてるわけだ。

つまり、特に当時名を上げる事もなく、今特に現役でない私でも、プレイヤー全体で見ればもの凄く上手いプレイヤーに入るという事だ。


遊戯王はこの世で最高峰のスキルキャップを持ったゲーム

スキルキャップという言葉をGoogleで検索したらFF11の攻略がめっちゃ出てきたが、要するに他のゲームに比べて遊戯王はプレイヤーが技術介入出来るポイントがめちゃくちゃ多いゲーム、という事だ。

既に遊んだ方はお分かりだと思うが、最強のデッキを選択したとて、使い方が全く分からなければ通常モンスターを順番に召喚してサンダーボルトと激流葬とサイクロンで戦うデッキにも余裕で負けられるくらいプレイの選択肢が多いのが今の遊戯王の現状である。


・とは言え…

インターネット全盛の今では本当にサンダーボルトで勝てるくらい弱い相手がひしめいているのはせいぜいゴールドランクくらいまでで、どれだけプレイヤーが強かろうと、技術介入の余地なく、カンペを見た通りに1ターン回されるだけで負ける事も往々にしてあるのが今の高速化した遊戯王でもある。


・言いたい事

1%の上手い我々は試合が長いデッキ、ひいてはお互いの選択肢が多いデッキを使ってマスターデュエルを楽しもう!

 

使用デッキ


オルターガイスト

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EXデッキは諸説あるが、今の理想はこうかな~という事で持ってないカードin。

 

私も信用している某有名プレイヤーのTierリストではTierE(S,A,B,C,Dの下なのでTier6)で上から21位タイという酷いポジションで、実際そこに全く異論はないが、マスターデュエルという環境ではかなり良い選択になっている。

デッキを3行で説明すると
罠を大量に積んだ妨害デッキで手札誘発をほぼフル投入
突破力や展開力は低めで、相手の場がガラ空きでも後攻1キルなどはまず不可能
継戦能力は最高レベルでターンが経過すればするほど妨害も攻め手も増えていく

下に色々書いていくが、理論的にこの環境で強いからオルターガイストを選択したわけではなく、最初の動機は単にデッキが好きだから選択しただけである。

遊戯王VRAINS 14話「ゴーストガールの誘い」

1ターン目通常召喚から効果無効の罠をセットでターンを終える女の子、かなりイイ。


・とにかくターン数を伸ばす

先程、1ターン目はカンペ通りに回すだけで技術介入の余地が少ない、と書いた。ので逆に、技術介入が発生する2-3ターン目以降に突入しやすいデッキが我々にとって有利になる。

そのために1ターン目を凌ぐ手札誘発がたくさん入っている。


・使い道の多いカードを採用する

構築の話になると、エルドリッチが多いから《ライトニングストーム》が強いだの、ドライトロンが多いから《ラヴァゴーレム》で突破するだの、という議論がよくなされているが、私が構築で注目したいのはターン数を伸ばせるカードか、使い道が多いカードかどうかだ。

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《ライトニングストーム》《ラヴァゴーレム》は、相手が何か出して来たからこれで対処する、というタイプの使い道が少ないカード(何も出して来なかったり、こちらが先攻だったら役に立たない)で、自分で使い道を決める事が殆ど出来ないし、相手からしたら突然手札から降って来るだけで、相手が自身のターン内にやる事は変わらないだろう。

故に、上記のようなカードは我々にとって不要である。


・相手の選択肢を増やす

出回っている有名なデッキリストやデッキのTierリストというのは、お互いがとても上手にプレイ出来るという事が前提になっている。先攻で相手を何も出来なくして勝てる確率が高いから強いとか、後攻で全てを突破して1キル出来るから強いわけではない。

前述したように遊戯王は上手にプレイ出来なかった場合、適当な弱いカードにも負けれてしまうくらいプレイヤーの選択の比重が重いゲームでもある。

ので相手の選択肢を増やして、不利な選択肢を選ぶ可能性を上げれば上げるほど、上手いプレイヤーの勝率は飛躍的に上がる。

具体的には相手の動きを色々な方向から妨害して、想定通りに動けない回数をとにかく増やしてあげる事である。

ミス0回 VS 0回だと勝ち越せないので、私もまあ1-2回はミスをするだろうが、相手が5回ミスしてくれるなら常に勝てるだろう、そういう考え方だ。


・罠カードや手札にあるカードのテキストは読めない

マスターデュエルで人気(というか強いとされている)のカテゴリーたちは、殆どが場に強烈なモンスターを送り出して勝つ構造になっているが、オルターガイストは殆どの脅威がテキストを読めない裏向きの罠カードか手札内にあるので、取り敢えず場に出ているカードを読んで対処という戦術が使えず、相手に要求する知識や技術が高いデッキになっている。

では同じく知らないカードが出てきて驚くモブになる可能性がある私の方はと言うと、相手のカードが使用されてテキストを読んでから妨害するかしないか決める事が出来る。

一見、相手の事を考えなくてはいけない分、妨害する側のプレイが難しいように見えるが、自分のデッキの回し方が分かった段階を過ぎると、見えないものを想定しながら進めなくてはいけない妨害される側の方が実は難しいのが遊戯王の構造だ。


・具体例

鉄獣(現在こちらのターン)
場0
手札《鉄獣戦線 フラクトール》《鉄獣戦線 ケラス》
墓地0
デッキ内 《キット》《ナーベル》あり
EX全て揃っている

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オルターガイスト
《オルターガイスト・シルキタス》(守備表示)《オルターガイスト・プロトコル》(表側表示)
手札0
墓地0

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Q、鉄獣側で良さげなプレイをしてください

かなり実戦よりも簡略化してあるが、要するにオルターガイスト側が妨害を構えていてそれを突破してください。という状況。形は違えどオルターガイストは常にこういう状況を作るデッキである。

 


《鉄獣戦線 フラクトール》手札から捨てる効果発動。

プロトコル《シルキタス》をリリースして効果無効。

《ケラス》通常召喚。…

ターン終了

………

 

 

答え
《フラクトール》通常召喚。バトルフェイズへ。《シルキタス》に攻撃。

《シルキタス》効果でプロトコルを手札に戻し、《フラクトール》を手札へ

手札の《フラクトール》を墓地へ送って効果発動。《キット》効果→《ナーベル》効果→何らかのトライブリゲードを手札へ

トライブリゲード捨てて《ケラス》特殊召喚。効果発動で《ルガル》特殊。《ルガル》《キット》《シュライグ》特殊。効果で《シルキタス》除外…


めちゃくちゃシンプルな例だが、要は妨害をかいくぐる側の方が選択肢が多くて難しい傾向にあるという事だ。
この例でも、もっとミスるなら《フラクトール》通常召喚して効果発動とか、《フラクトール》捨てて《ケラス》特殊召喚とかも出来てしまう。(笑い事ではない。遊戯王は難しい。)

 


・オルターガイストを相手にした場合の事情

妨害される側が難しい事を説明してきたが、オルターガイスト"を"手札誘発などで妨害する際にも知識が要求するところがまたよく出来ている。

例えば先攻展開デッキに代表されるドライトロンは、《増殖するG》を取り敢えず最初の特殊召喚に撃てばOKだし、《灰流うらら》もまあどれかに撃てば一定の効力は発揮するし、《墓穴の指名者》も手札誘発とかを取り敢えず1回分は無効に出来る。
100点は取れずとも、撃っとけば60点は取れるという事だ。

しかしオルターガイストは、基本的に死なずにターンが伸びれば勝つので《増殖するG》を最初に撃たれても、他に罠があればそれ以上特殊召喚せずにターンを終えれば良いし、《灰流うらら》に関してはオルターガイスト側がカードを消費せず無効に出来てしまうケースが多発するし、《墓穴の指名者》は実は致命的な撃ち所が存在するのだが、それを知らないと回避する事が出来てしまう。

とにかく戦略、構造ともに相手に要求する知識と選択肢が多く、自分も相手と同じ展開デッキを作ってじゃんけんに嘆くよりは、マスターデュエル環境向きで精神衛生に良いデッキと言える。

 
・オルターガイストお気に入りポイント

オルターガイストと名の付いたギミックだけで、場のカードを手札に戻す、カードを墓地へ送る、攻撃を無効化する(対象に取らない)、相手の効果、魔法罠を無効にする、展開して汎用リンク召喚をする、というギミックが搭載されているので、変なデッキに負けづらい事もかなり気に入っている。

変な永続罠で粘ったり、魔法撃ちまくってエグゾディアみたいなデッキとか、攻撃力10000でパンチみたいなデッキとか、パワーは低いけど一芸ありますみたいなデッキに対処して勝つ事が出来るので、精神衛生に良い。

 


・邪推。

これはインターネット1強環境故の傾向なのだと思うが、昔と今では遊戯王を遊ぶ時に、ものを覚える順序が違う。

チュートリアルでは丁寧に攻撃の方法、リンク召喚の方法などを教えてくれるわけだが、今や勝利に貢献してくれるのはそんなものではなく、展開デッキの1ターン目テンプレを手元に置いてそれを再現する事だ。

以前は自分のデッキのコンボよりも、より大きな数値で相手を攻撃する事やサンダーボルトでより多くの相手モンスターを破壊する戦略を覚えた方が勝つゲームだったが、今はそうではない。1ターン目テンプレは1日で60点を取れる。
本当に遊戯王を何も知らない人に遊戯王を教える時、いきなり展開怪文書を送り付けるのに抵抗があったが、やはりあれで正しかったのだ。

こういう背景が、1ターン目以降人が変わったように(これはおじ視点の邪悪な感想である)不利な選択をし続ける人の正体なんだろう。と邪推している。


・凡庸な老人として見たマスターデュエルの今

ランクがプラチナ1までしか存在せず、玉石混交かつプレイヤー数がべらぼうに多い今、オルターガイストのように相手への要求値が高いデッキを使う事はかなり正しいと思う。

結局のところ自分が使ってて楽しいデッキというのは人それぞれではあるが、遊戯王をある程度分かっている復帰勢の方々などは"ターン数が長く、相手への妨害が多いデッキ"を選んで勝ち抜いてみるのは如何だろうか。