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アレクのプリズムショーが凄い

・背景

キンプリ、キンプラ、SSS1、2、3を観たところなのだが、3章アレクで完全にやられてしまったので何故凄いのか書いておく。

プリティーリズムの事がWikipediaのあらすじ程度にしか分からないので、出来るだけプリズムショーの凄さに絞って書き進める。

・PRIDE1におけるアレクのショー

名前にもあるように、格闘技の文脈が濃く出ている。特にプロレス

ショーの内容の前に、一応自分が感じたストーリーを簡単に書いておく。

ストリート系は勝負の論理

勝負の論理という言葉は自分が今勝手に作っただけだが、アカデミー系のショーよりも勝負という要素が強く出てるくらいの意味

勝負というのはお互いが同じ土俵で戦い、勝った負けたを認め合えば勝負として成立する。

キンプラのアレクVSタイガ(後にカヅキ)のようにステージを破壊しても勝てば勝ちなのは間違いない。勝てなかったが。

キンプラ→SSS3で起こった変化は、「ストリート系の勝負で相手に勝つためには物理的に倒せば良い」という論理から「相手と観客を含め皆をショーで納得させる事が勝利」である。カリスマというのは最強ではなく、超人的な力で人々を惹き付ける者の事を指すので、ストリート系のカリスマを志すアレクにとって当然かつ大きな成長だ

アレクのSSS3章のショーは、聖がいないため勝負は行えず、"未完のまま終わった冷さんのショー"の続きであり、キンプラの"会場を破壊し尽くした対戦相手に勝つためのショー"からの成長を見せる場に見える

というように、バトルスタイルの変化、世代、相手がいて起こるドラマ、というプロレス的な要素やSSSのストーリー的な観点で掘り下げる事は出来るが、今回は自分がこういう感じでアレクを見ているよという説明なのでここで一旦おわり

・画が良くて楽しいだけではなかった

キンプリに対しては、プリティーリズムから続くストーリーとプリズムショー含めたサービスで出来た作品という感想を持っていたのだが、プリズムショーはフル3DCGで気合が入っている上に、サービスもただ面白いからやってるんじゃないんだと気付き感動した。

平文だから感動していないように見えるけどアレクVSタイガのショーはマジ凄すぎて泣いた。

ただ面白いだけじゃないというのは、アレクが繰り出した一見めちゃくちゃに見えるガンダム遊戯王パロディは、決してめちゃくちゃではないという事だ。

突然始まるオールレンジ攻撃

キンプラのアレクは、会場を覆う「アンゴルモアの牢獄」を使用し、エヴァ陣形からの絨毯爆撃を行っている。恐怖の象徴アンゴルモアからの一方的な爆撃を行い、リンカーンばりのファン解放宣言を行った自由の象徴カヅキとは正反対の行動として描かれていた。相手を物理的に倒せば良いからである。

今回のSSS3章、アレクの背中に付いている4基のアレはガンダムのファンネル。簡単に言うと遠隔でビーム攻撃等を行う武装。バリアを張るためにも使う事が出来る。

アレクのファンネルは攻撃のように見えたが会場を守る用途に使われた。本来攻撃するために使われる方が多いので無理はない。

ただ武装として見れば上記の通りなのだが、感動した点は、ファンネルは人間の脳波で制御する武装という点だ。

ガンダム原作でも爆弾とはケタ違いの攻撃力を持ち、使用者に大きく負担がかかるファンネルをバリアに使い会場に張り巡らせ、ショーの感動、ひいては演者の感動をも伝える装置に変えてしまう…

アレクの技術、精神両面のパワーアップを、アイドルのショーにガンダム武装とかいう面白すぎる画で表現してくる事に震え上がった。

突然始まるライディングデュエル

アレクとカヅキがレースで先攻を決めていたのは、遊戯王のライディングデュエル。簡単に言うと、バイクでレースをしながらデュエルをする際、開始時にどっかのチェックポイントを通過するのが速い方が先攻を選択出来るというものだ。

ガンダムとは違って遊戯王はギャグテイストな面があり、キンプリも完全に笑わせに来ているのに何故泣けるのか…キンプリは本当にアイデアが面白い。

ライディングデュエルは、デュエルという勝負と、スリルとスピードのあるレースを持ち合わせたまさしくプロレス、いやストリート系のプリズムショーにぴったりに思える。

まずレースの勝敗が先攻のタイガ有利という印象を与える。デュエルでは先攻が有利だからレースで先攻の権利を争う。

デュエルならばただ有利不利を決める前座的なレースだが、これはプロレスの性質を多分に持ったプリズムショーであって、必ずしも先攻が有利とは言えない。ただ倒すよりも、相手の技を一旦受け、よりカッコよく返した方がショーとして面白いからだ。

そして背景として、ライディングデュエルは格差のある社会において、大衆(アレクの家は貧乏なので大衆側と言える)が考案した過激な娯楽であり、自由の象徴とされている。まさしくストリート系の魂そのものと言えるバトル演出なのだ。

・プリズムショーの凄さ

適切な題材を配置し、適切に切り取ってメッセージを強化し、そしてただ観るだけで幸せになるようなインパクトのある画を作り上げる。そういった凄さがプリズムショーにはある。ただパロディをやると面白いから色んなネタを仕込んでいるのではない。

という事が言いたかった。

キンプリの映画に関する話は以上です。

・おまけ(キンプリは詩かも知れない)

キンプリ初見の感想はこれガルパンっぽいなと思ったんだけど、以前からこのガルパンっぽさというのが上手く説明出来ずにいた。

熱いが本筋は比較的シンプルなストーリーがあり、ギャグではないんだけどパロディやこだわりをふんだんに使ったサービス…

今回プリズムショーのガンダム遊戯王に着目してみて、パロディやこだわりの部分って詩の面白さと近いんじゃないかなとふと思った。

Wikipediaの「詩」の概説の一部

詩では特有の形式や決まり事を用いることで言葉に別の意味を持たせたり感情的・官能的な反応を引き起こしたりすることが多い。~中略~その他の詩語による文体的要素はしばしば詩作品に複数の解釈を可能にする。

今日のグローバル化した世界では、詩人たちはしばしば様式、技法、形式などをさまざまな文化や言語から借用している。

時代や文化が変われば言葉の意味も変化するので、詩の当初の美や力を味わうのは難しい。

概説から更に抜き出すのはちょっとどうかという感じもするけど、要は以下のような事が言いたい。

オタク作品から一見めちゃくちゃに引っ張ってきたパロディを繋げて、キンプリという時代と文化に落とし込み、別の意味を持たせる。

そして、それをみんなで鑑賞して応援する。視聴者の持つ知識や背景で様々な解釈が生まれる。

というような構図が似ているなと思った。自分は詩の事は全く分からないけど、この感覚は詩を楽しむようなものなのかなーと少しキンプリに世界を広げて頂いた感じがしました。

おわり