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ガンパウダー・ミルクシェイク、RRR、SFLの感想

ガンパウダー・ミルクシェイク

高カロリー!強炭酸!超刺激!悪を蹴散らすシスター・ハードボイルド・アクション爆誕!(公式より)

 

2022年で1番好きな映画だった。
主演カレン・ギランのビジュアルからしてイイ。一目でこいつは絶対つええとわかる。180cm。

他に見に行った知り合いもいないので、ネットの感想も結構見に行った。

このミーム画像大好きなのだが、ガンパウダー・ミルクシェイクに関してはどうしても人の感想で満足出来なかったのでブログに書かざるを得なくなってしまい、その腰がようやく上がったのが見てからもう8か月くらい経った今というわけである…

 


あらすじ
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私の感想を1行でまとめると、つよ女がちゃんと都合良く暴れてくれる作品。だ。


この映画が見せたいものはオタクがニヤリとするオマージュたっぷりのB級アクションと、シスターフッドVS男性社会というポリティカルなストーリーの2つ。

どちらが欠けててもこの映画にはならないのだが、どちらも目を引くに足る刺激が強い要素のせいか、どちらかにしか言及しない感想があまりに多くて見ていられなかった。私はこの両方を併せ持つ作品を求めていた。


この2つのバランスが取れていると何の都合が良いのか。それには、つよ女暴れ映画文脈を少し抑えておく必要がある。


ハリウッドつよ女アイコンと言えば、バイオハザードはじめとする多数のハリウッドアクション映画に出演するミラ・ジョヴォヴィッチだが、この人が出る映画はどちらかというと男らしいアクションを女が頑張ってやるスタイル、だ。

バイオハザードファイナルのミラ・ジョヴォヴィッチ



男が暴れているよりも女が暴れている方がハッピーではあるが、私が求めているのはこれではない。


元祖、オタクが考えたつよ女暴れ映画は私の中ではキル・ビルである。直撃世代だし。

キル・ビル(2003)の主人公。今見てもカッケェな。

 

キル・ビルは、従来の男性が主役のアクション映画に対して、美女が女らしく暴れたらギャップ萌えで嬉しいよね、というコンセプトを押し出したアクション映画だ。
男らしいアクションを女がやるのではなく、あくまで女らしさを保持しつつ派手な画を魅せるのがこの映画のウリだ。
なので栗山千明は日本の制服を着てモーニングスターを振り回している。萌え。


もう1つ対照的で比較的新しいREVENGEも挙げておく。

美しく、残酷に、とか入れちゃうのホンマ広告って感じ。この画で大体分かるやろ


ストーリーは非常にシンプルで、レイプしようとした男3人を非力な1人の女があの手この手で泥臭くボコるものである。

その辺にあるブリキで傷を焼いて縫合し、血を流し床を這いながら男にとどめを刺す最終決戦は女の華々しさからは程遠く、地に足付けて何とかして執念で女が男をボコる、暗くて清々しい作品である。


3本の例を挙げたが、私が見たいアクションは圧倒的にキル・ビルのそれである。
性別の関係ない洗練されたアクションを見たいわけではない。マンガアニメみたいなオタクが考えた最強の女が見たい。

洗練されてないけどカッコいい、を何とか実写で成立させてくれるのがギャグ要素だ。
制服でモーニングスターを振り回す栗山千明や足で銃を撃つベヨネッタは果たしてカッコいいのか?笑うところなのか?正解は両方である。

そのようなカッコよさとギャグを織り交ぜた嘘くさいアクションを、過去のB級アクションからのオマージュを取り入れつつやっているのがガンパウダー・ミルクシェイクである。


さて、いわゆるケレン味溢れるアクションの説明を済ませた(済ませたのか?)ところで、本記事で最も重要な私の頭のハト、もう1人の私が出現する。

「女が男をカッコよくボコる映画を追い求めるのは、そのテーマを隠れ蓑にして安全に女を消費しようとする最悪の態度ではないですか?いっそコンビニでエロ本を立ち読みしている方がオタクとして正しいのではないですか?」

バカめ。何のために映画があるのだ。何を見ても良かろう。その通りだ。

しかし私の心はとても弱い。何人もいるもう1人の俺がたまに攻撃してくる。「お前はパンツを覗こうとしている自分が卑しいと思っているから堂々とパンツが見えても何とも思わない女が暴れる作品ばかり見ているのだ!」

虚しい。パンツがなんなんだよ。怪しい店で1000円で買えよ。

ちなみに私が好きなパンツは鉄壁スカートの中にあるやつとかエッチなお姉さんのレースのやつとかではなくて、戦闘中誰も見てない事になってるけどカメラは見ている普段着っぽいパンツ。

 

女が暴れてればそれでいいのに、もう1人の俺の気持ちも収めてあげなくちゃいけない。難儀だ。


そこでガンパウダー・ミルクシェイクのがっしりしたポリティカルなストーリーが効いてくる。

アクションはオタクが見たい女アクション(CG等ないので少し泥臭めの風味ではあるが)だが、ストーリーは安全な反省を許さない女VS男のそれである。

決戦の舞台となる図書館で、本棚の女性解放にまつわる名著を開いては武器を次々と持ち替えて戦う演出、ラストシーンで自宅のテラスで一服していた丸腰の黒幕を殺そうという場面で、年端の行かない女児の慈悲がそれを止めさせ完膚なきまでに女が勝利する展開にはもう1人の俺もにっこりだった。

 

これは最初に"図書館"に来た時に武器をもらうシーン。

 


というわけで、つよ女が都合よく暴れてくれるガンパウダー・ミルクシェイクの感想でした。

パンツの事なんか書くつもりなかったんだけど。(ガンパウダー・ミルクシェイクにお色気要素は一切ありません。)

オタクが作ったB級アクションなので、そういった作品を見てる人はオマージュがたくさん分かって楽しいかも。

映画館出る時に、カップルの男が「何か怖い映画だったね…」って言ってて女の方は何も答えてなくてその場で踊り出しそうだった。ウソっぽいでしょ。本当なんだよこれ。新宿ピカデリーで起きた奇跡。いい映画だね。

 

 

RRR

友情か 使命か



2022年ひふみ的ベスト映画は上のガンパウダー・ミルクシェイクに譲ってしまったが、持ち上げた割にB級である事には間違いないし、手放しに面白いという感じの映画でもない。

RRRは逆に、全俺が立ち上がり、今年のナンバーワンです!!拍手!!と自信を持って推せる最高の映画だった。久々に映画館で2回見ちゃった。

エンタメ映画なのであまりごちゃごちゃ語る事もないが、ダンスシーンは本当に最高だった。映画館で靴の中で足もぞもぞ動かさざるを得ないくらいノった。俺はあそこが最高潮でもいい。思ったより歌と踊りに弱いかも。

 

一緒に見に行った信頼オタクが、神話をガチで作ってる!って言ってて、確かにRRRの勢い有り余るアクションを説得力ある形で成立させてるのは"神話"なんだよな。

何故彼らがあんなに強いのか、神話の英雄だからだ。

zumasawa.hatenablog.com

 

 

おもろすぎて見に行った2回目、信頼オタクBが放った「ビームは手紙を送るためにラストシーンで読み書きの知識を乞うたんです」

いやいやwそれは二次創作でやるやつ… 殆どそう言った。しかし、なんだろうこの

RRR2ではビームが赤い染料で書いたヘッタクソな文字の手紙がラーマに届くところから始まるのを俺は見た。

これを聞いた時、電撃が降ってきたような衝撃はないが、潮のようにじわじわと来た。

この読みがスッと出来るくらい濃い物語が描かれた作品なのだ。

クゥー オタク

 

 

SFL

ストリートファイターリーグについて少しだけ感想をまとめておく。

ちなみに私は今年のSFL本戦の試合を全て見た。試合前後の選手インタビューもほぼ全て聞いた。

 

・カワノのルシア

ちょっと長いが、自分が別の場所で書いた事をぺたり。

"ストリートファイターは選手のアカウントの対戦履歴を隠す事が出来ない→広くキャラ対策するためにオンラインで全国から相手を集めて練習をせざるを得ないので、団体戦で誰が誰の対策をしているのか試合前にある程度読める→結果、オーダー後出しルールがあるのにお互いの対戦組み合わせが予定調和気味になる事が増えて、後出し側が負ける事も多い。

専属スパーリングパートナー契約を結んだ元プロ(立川)とタッグを組みキャラ選びから対策を行い、オフライン環境で1ヶ月でキャラ替えを仕上げる→今期誰も止められないかと思われたふ~どをカワノのルシア3-0で撃破。

これはありそうで今まで無かった事です
まず完全に隠した状態で練習をする事が難しい、プロのスパー相手になれるレベルの人は限られているから
1ヶ月の練習で新しいキャラがトッププロに通用するレベルで普通は仕上がらない
SFL以外の個人戦もあるわけだし、リーグ戦だから別の相手ともたくさんやるわけだし、思いついても実行する人も出来る人もいなかった"

 

と激語りさせて頂きました。夢あるんよこのエピソード。見てて面白かった。

 

・全体のレベルは高いが、依然として個性を放つプレイヤーもいる

うりょローズ…と言いたいところだが、私はルーク勢を取り上げたい。

本当にSFLしか見ていないので界隈でどういう攻略が進行しているのか不明だが、中K、中足、弾で追い払い、たまに踏み込んで投げと中P、っていうスタイルが通用していたのは私の記憶では2-3節くらいまでのように見えた。

そこからはマゴさんの強パン、ときどの弱P、藤村の生CA、ナウマンのサプレッサーなど、何でも出来るルークの強みが次々に各自違う形で開拓されていった。

このシンプルそうなゲーム性と同じキャラで、この選手はこの動きだよな!という個性を打ち出してるのすげぇなと素直に思った。

プロが命削って仕上げた試合ってやっぱおもしれー。

 

・"トッププロ"とプロの差でけぇ。

ストリートファイター5はかなりの人数にプロライセンスが配られたものと思うが、SFLは日本で強い奴上から選んで戦わせる、という形式ではないので、

これだけ攻略が進んで差が縮まった今でも、まだまだ2先では覆せないほどの実力差があるんだなと感じた。

 

全体的に専業化して、レベル高くなってくると何となく閉塞感感じちゃったりするのが老害だが、そんなの感じさせないくらいSFLは個人的に面白くて夢もあった。

 

おわり。