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「ハクソーリッジ」感想

観て来ました。

エンタメ的でない映画は久々に見るので知識とかないし基準も何もないですが何卒。

-----ネタバレなし用↓これから見る気がある人用-----

84点。

決して低い数字ではなく、とても面白く、なおかつ自分に刺さる部分もあり、見たい要素も入っていた、という感じです。

オススメしますか?と言われれば自信を持ってオススメします。

戦闘描写もちょうど良く、人間もカッコいい、かといって現実味がないわけでもない。

自分にとっては宗教、戦争(沖縄戦)、友人、家族といった全ての要素が気持ちよく入ってきてとても満足。

1番感動したのはやはり主人公デズモンド・ドスの精神ですが…

あと戦争映画って現実味がありすぎるとただ悲しくなるし、脚色しすぎるとツッコミが入っちゃう事があるんだけど、この作品は本当にバランスが良いと感じた。

ノンフィクションってあまり見ないんだけど、デズモンド・ドスという1人の人間にも感動したし、少し脚色された映画の中のデズモンド・ドスもめちゃくちゃカッコ良かった。

12禁(12禁なんてものはないが)なのは"ただ戦争で人が残酷に死ぬだけ"だからだと思うんだけどきつい人はフツーにきついかも。グサッと刺されて血を吐くだけでうっ!!と感じてしまう人は1700%無理かも。

ただ、戦争の酷さを映像で伝えるための映画ではない。という事だけお伝えしておきたい。

-----ネタバレあり用↓-----

最大のテーマは宗教?信仰心?的な事

以下自分なりの主人公の周りの人間をばっさりなくして本筋だけ書いたあらすじ

主人公のデズモンド・ドスはクリスチャンで、幼少期の様々な経験から「汝、殺すなかれ」という教えを強く心に刻む

周囲が戦争に巻き込まれて行く中、国を守るために自ら入隊志願するが、ドスは訓練中「銃を持つことは出来ない」と軍人ながら頑なに命令を拒み、除隊寸前まで追い込まれる

しかしドスは色々あって自らの並外れた強い信念と信仰心で訓練時代を切り抜け、衛生兵となり、最前線のハクソーリッジ(沖縄)へ送り込まれる

歩兵同士がぶつかり合う最前線で、衛生兵として英雄と呼ぶにふさわしい活躍を見せ、多大な犠牲を払いながらも米軍はこれに勝利する…

映画の最後にデズモンド・ドスの当時の写真や生前の本人へのインタビューが少し流れて終わり

何が面白かったか

・デズモンド・ドスの並外れた強さ

自分は無宗教だから、信仰心という感覚がよく分からないんだけど興味はあった

だからこそ信仰心を持つ者の強さがより輝いて見えたような気がする

家族、友人、恋人、国を守りたい。でも「汝、殺すなかれ」は破れない。そんな葛藤の中でどちらも捨てなかったドスの強さ。

思いで戦いに勝つなんていうのはファンタジーの話なんだけど、本当にドスは思いで戦いに勝った。

・戦争の残酷さ、見せ方のうまさ?

何度も言うがあまり戦争映画に詳しくないのでどの程度凄いかは分からないが、自分の知っている沖縄戦に"映画のカメラ"を持っていったらこんな感じかな?という感じなのだ。

火炎放射器自動小銃は本当に強いし、銃剣付きの小銃で戦う日本兵は恐怖を与えるまでもなく、別に生き返るわけでもなくバタバタと倒されていく。それでも穴から出てくる日本兵は次々と襲い掛かって来る。

戦艦で砲撃すれば勿論人は死ぬ。しかし小銃でも撃てばいつかは当たる。

所謂"ツッコミ所"を感じない。そんなかっこ良くないやろ。とも思わないし、映画なんだからそんな酷いとこばっか撮るなや。とも思わない。

全部書くのは無理ですが、本当に1つ1つの描写が、今ここが最前線なんだと思わせてくれます。

誰でも知ってる歩兵同士の沖縄戦をがっつり描きながらも、すんなり見れた(戦闘に見入りながらも衛生兵ドスがカッコいい)のは戦闘が凄いからなんだと思います。

好きなシーンは手榴弾で最後の特攻を仕掛けた日本兵、組み付いた兵同士が最期を悟るやうああああ!!!と雄叫びをあげて両者散るシーンです

死に際は三者三様ですが、1番印象に残りました

・物理的に襲いかかる最前線という現実と信仰心というただの1人の精神の有様

デズモンド・ドスって人一切知らなかったんですけど、沖縄戦って日本が悲惨に負けるか、米軍が日本兵に恐怖を感じるところに焦点が当たる事が圧倒的に多いじゃないですか

そんな恐らく一般的な日本人が知る限りの極限状況で、信仰心を持って戦争に望んだ英雄の話を描けるなんて凄いじゃないですか

極限状況だからこそ、人間の精神の凄さが伝わってきたのかも知れませんな。そんな人が実在したという事実がまた感動というか感服せざるを得ないんですが

対比ってやつですかね

・正直死への恐怖、命の軽さ、緊張感に気分が高揚した。

気持ち良いとも興奮したともちょっと違う気がするんだけど。これが感じられないと後半、最前線で1人でも多くと負傷兵を運ぶドスに感動出来ませんから。

分からんけど自分は好きな戦争描写だった。

パラララって撃たれて崖に落ちて死んだな~みたいなのも嫌だし、うう痛い助けてみたいなのが続くのも嫌なんだけど

多分バランスというか加減が自分にぴったりなんやろうな。

本当に無理な人には無理な死体とか結構映るけど別にそこがメインではない事は伝わってくるし、戦艦の砲撃でまとめて吹き飛ぶとちっぽけさを感じるし

確かに米軍兵器の強さも感じるし、日本兵の狂気も伝わってくるし、白兵戦の迫力も十分にある。

あと日本軍はあくまで脇役に収まってるところもいい。弱かったり、強かったり、怖かったりするけどあくまで脇役。

説明は出来ないけど、この出来が良すぎる戦闘シーンはあくまでドスを立てる添え物(添え物…?)なのだからまあ説明する必要なんてないだろう。

・周囲の人間たち

もう疲れたし1人1人書いてると尺がないので一切書かなかったんだけど、家族、恋人、上官、同僚、友人もドスという人間を描く上で絶対に外せない人たちです。

ドスの周囲で起こる事に関してあまりにも書かなすぎましたが、見に行くか迷ってる方は、取り敢えず脳内で今までの戦争と精神の感想にそれと同じ量くらいの人間ドラマへの期待を持って見に行ってください。

はあ、結局長くなってしまったが書きたい事は書いた。

何度も同じ事を書いてるような気もするが何度も書いた事はそれだけ大事なのかも知れない。以上