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ミリしら 我が混沌のサバト・マリアージュ ~アイドルとメタルが起こした何か~

この度、尊敬するオタクから1曲のキャラソンを紹介されました。

「好きそう」と言われてものを勧められる事はとても幸せな事です。

今回試聴動画とともに紹介されたのは

我が混沌のサバト・マリアージュ/アスラン=ベルゼビュートⅡ世(CV.古川慎)

という曲です。どうやらサンホラっぽいので好きそう。との事。

この曲が如何に素晴らしいかという感想を書いていきますが、今回の体験は自分のこれまでのオタク人生があっての感動だったので、少しだけ自分に関する説明をさせて頂く事をご了承ください。

・この曲を聴くにあたって背景

自分はアイドルマスターシンデレラガールズがそこそこ好きで、特に好きなアイドルは高峯のあと星輝子です。

あとメタルはもっと好きで、特にシンフォニックメタル、パワーメタル、メロスピなどが好きです。あとサンホラフォロワーに代表されるファンタジー同人音楽もよく買います。

・出会い、試聴

もう1つ大事な前置きを忘れていました。ミリしらなので、アイドルマスターSideMの事は何も知りません。

男性アイドル版アイマスである事と、この曲と、キャラ名がアスラン=ベルゼビュートⅡ世である事しか分かりません。見た目も分かりません。いや多分左上の方だと思うんですけど…

でもこの曲のパワーは本物なので勢いで感想を書きます。許して…

試聴した第一印象は、やはり男性アイドル作品にも最近こういう勇壮系、耽美系のメタルチックな良い曲があるな~という感じでした。

アイマスSideMどころか、男性アイドル作品に触れた事がほぼないので、この時点では勝手に中二病俺カッコいい系アイドルを想像していました。

・購入

紹介してくれた方に何故か恩を感じているので、せっかくだから1曲くらい買うかと思って聴きました。

しっかり全体としてもメタルの様式美が踏襲されていて、キャラソン的にも良さそうだな~。こういうキャラソンや同人メタルにありがちなズコー(曲の壮大さに歌のパワーが追いつかず何じゃこの声は~となる現象の事)がないしなかなか良いな。といった感想でした。(今後この曲のジャンルをひとまず中二メタルと記述します。)

中二メタルは中身がペラペラな事も多いです。あまり内容がない事自体が良さでもあるので悪い事ではないですが。この曲もそういったペラ良いやつかな。と

思って2周目を聴いた時に違和感を覚えました。

J-POPにおいて「翼広げすぎ」「一人じゃなさすぎ」と小馬鹿にしたネタがありますが、それも1つの様式美であり、必ずしも悪いものではありません。

同様に中二メタルにもよく使われるフレーズ、表現が多々あります。

それを踏まえてこの曲、ただの中二メタルにしてはあまり使われない言葉が使われている気がする…

(歌詞は購入前でも全部タダで見て良いようなので書きます。)

さぁ啜れ欲望の侭に!

こういった場面で啜れは結構弱めの単語だな…と思い聴き進め、Que c'est bon(くーせぼん)に当たりました。思わず車を降りてコンビニの駐車場で歌詞を見ました。ああ、これはやってしまったぞ。

どうやら、これは中二病俺カッコいいアイドルソングではない。

・妄想劇場は止まらない

絶妙に香る美酒のように!

「主の託宣を受けし供物たちよ、我が詠唱術によって光の民らの馳走となるがいい!!」

息もつかせぬ序曲は闇のオードブル

間違いない。彼は酒、料理に深い関わりを持つアイドルだ。ここで曲名に思い至る。「我が混沌のサバトマリアージュ」どうやら酒ではない気がしてきた…

マリアージュは適当にカッコいい単語を持ってきて「婚礼」だと思い込んでいた。

これは食べ合わせの方のマリアージュだ。これもフランス語だ。というか全部フランス語じゃないか!いよいよ大変な事になってきた。

彼本人が料理人、それもきっとフランス料理人アイドルだ。

彼が料理人アイドルだと分かればもう全てが紐解けたようなものである。

中二メタルは難しい横文字や難しい比喩表現を好むが、その実は超純真。

分かりやすい欲望や表現の発露が中二メタルである事がほとんど。

そう思って聴けばこの曲はまさしく全編、召喚された悪魔たる自分(ベルゼビュートは中二メタラーでもやりすぎである。もっとやれ。)が光の民(ファン)グリモワールを振る舞う曲ではないか。

えっ???

・続・妄想劇場は止まらない

ついカッコいいリフに聞き入って忘れていた。まさに心の臓を貫かれた。これはアイドルマスターのキャラソンだ。聴き直したい、歌詞を見直したいポイントが多すぎて追いつかない。

これは料理アイドルが料理という文脈を使って光の民(ファン)に歌ったライブのソロ曲(或いは彼が作ったライブ全て)だ……

グリモワールとは一般に魔術書を指し、それはレシピであり彼のライブパフォーマンスなのだ。

もう1つ1つ解説は要らない。

詠唱は轟く

光と闇が混沌と満ちるマリアージュ

慄けよひとときの夢に!

さぁ啜れ欲望の侭に!

つまるところどれもダブルミーニング

そしてアイドルマスターと言えば。

闇のアイドルと言えば。

・妄想劇場-最終章A

アスランさんはカリスマシェフ。料理に絶対の自信を持つ彼だが、自分というよりも自分の創作物を表現する事に悦びを覚える彼は、ある機会に堕天使サタンとの出会いを果たす。

"アイドルになってあなたを表現をしてみませんか?"

アスランさんはサタンに召喚されたベルゼビュート

その大きな漆黒の翼を広げ、降りたこの地で自らの創る闇で光の民を貫く。

本職をも忘れる程、又と無き自由の場を得たアスランさんは、闇を滾らせ往く。奥義(グリモワール)をその手に。

これが悪魔(アスランさん)の創り出した、光の民が次々と邪悪の矢に貫かれる崇拝の儀、"我が混沌のサバト・マリアージュ"

・妄想劇場-最終章B

アスランさんはカリスマシェフ。確かな料理の腕を持ちながら、なかなか結果が出ず苦悩する日々。

そんなある日突然声をかけられ、主となるその人はこう言った。

"あなたをここに置いておくには惜しい。良い場所がある"

アスランさんは堕天使サタンの右腕ベルゼビュート。

長らく畳まれていた漆黒の翼を広げ、又と無き自由の場を見つけた自分は、これまでに感じた事のない解き放たれた感覚、愉悦、尽きぬ狂喜を覚える。

堕天使サタンの思し召しを受け、時は来た。自分の闇は滾るばかり。

光の民がいるこの場所、いやこの場所に召喚してくださった主に捧げる崇拝の儀。"我が混沌のサバト・マリアージュ"

・曲について

最初に少し触れましたが、ボーカルがズコるどころか、キャラの気持ちよさが伝わってくるような伸びやかなテノール

メタルと分類するには実は無理がありますが、闇とメタルはいつも仲良し。きっとこの曲にふさわしい良いキャラなのでしょう。

音はクワイアあり、クラシックあり、メタルありと中二メタルの教科書のような元気になる音。

こちらも聞き慣れない音がちょいちょいあるのは曲だけでは分からない何かがあるのでしょうか。

・最後に。凄い体験をありがとう。

勢いで書き切りましたが、ミリしらです。許して…

全然違ったらウケる。保険でAとB書いたけど。いやAとBは流石に外れてるかな。闇の料理人アイドルくらいは合ってて欲しい。

本当に凄い体験をありがとう。勝手に感動した。

アニメもゲームも、キャラクターの姿すらも分からないアイマスSideMのアスラン=ベルゼビュートII世さんのキャラソンでこんなに文字が書けると思いませんでした。何度も聴き直して自分の中のアスランさん像が出来上がって行くのがめちゃくちゃ楽しかったです。

逆に、1曲+背景でここまでの熱量を生み出すフルコース、全く知らなくても凄さが伝わってくるってもんです。

流石にここまで好き放題やって終わりも悲しいので、少なくともアスラン=ベルゼビュートII世さんが出てくる話は抑えようと思います。

今後ともよろしくお願いします。

おまけ

尊敬すべきオタクの湊さんありがとう。