※今回の感想はネタバレ避け用の区分はありません。もう公演は終わってしまったので観に行けませんが、面白さが伝われば……
昨日、掲題の通称「ハイステ」を観て参りました。
元々ハイキューが大好きで(漫画アニメともに)演劇を見に行きたいなぁというところで、ハイステおもろいぞと信頼出来るオタクから鶴の一声という感じで踏み切りました。
恒例の点数からですが
86点
です
が!!情では100点なんです!!いや、初期衝動も100点なんです!!しかし俺はオタク!!おいそれと100点はあげられんかったんです!!すまんハイキュー!!
では感想です。
・当日
前情報で何となくは知ってましたが想像以上でした。
会場の男女比は150:1くらいです。盛ったかな…100:1くらいかな…?
ともかく目で見て男と判別出来る人間が席から見て3人、トイレで1人としか会いませんでした。
んなこたどうでもいいんですけどね。マジで。
・雰囲気
漫画原作の演劇に行ったことない方が大半でしょう。当たり前です。自分も初めてです。
ストーリーは原作通りで、そのまま演劇に落とし込んだ感じです。カッコいいキャラ紹介があり、演劇ならではのギャグがあり、幕間のお楽しみがあり、アドリブがあり…音と光。
公演の謳い文句として「漫画×演劇×映像のハイブリッドパフォーマンス」とあります。
その名に恥じない出来でした。
話はIH準決勝、烏野VS青葉城西(王様VS大王様)の回をまるまるやる感じです。
・導入
演劇って導入がカッコいいですよね。ここで早速"映像"が。役者の登場と同時に背景に漫画が映るの最の高でしたね。
ハイキュー読んでなくても面白くなるレベルの。
・オーケストラの音楽
全3章、各1時間の構成だったんですけど、第1章が「セッター対決」
いきなり魅せる。
練習の何でもない雰囲気から一転、鵜飼監督のあのセリフ「指揮者が変われば、音が変わる」
ネットを挟んでセッターの2人を指揮者に見立て、激しく何かを要求するような指揮の影山、体を大きく使い雄大な指揮をする及川。音楽がかかり、動くチームメイトと、指揮をとるセッターの2人…
なるほどそうくるか…!
いきなりツーアタックだー!!
・原作準拠
これ言わずもがな大事だと思うんですけど、1番びっくりしたのは"声"です。
アニメを見てしまってるので、漫画の中でもアニメ声優の声で喋っちゃうんですよキャラが。んでハイステもその声で喋っちゃうんスよ。
本当役者の演技ってスゲーと思いました。何言ってんだお前って思われても俺は言います。スゲーって思ったんだ俺は。
そんで。及川くんのジャンプサーブ。めっちゃ飛ぶやん。本当に飛ぶんだ。ワイヤーとかじゃなくて本当にジャンプね。ただのジャンプ。これがイケメンか……(サー…
バレーボール経験者らしい。そんな及川くんがこの世におるんか。演劇、凄すぎる…本当に及川くんだけちゃんとカッコよすぎてビショビショになった。
理系オタクなので、プロジェクションマッピングを作る人の話とか、使ってる場所とかちょいちょい気にはしていたんだけども
Perfumeのライブ映像とか一応見たりしてたんだけどまあライブ映像は画面だからね
ハイステが今まで見たものの中で1番最高にカッコよくプロジェクションマッピングを使っていました。
半透明の幕と背景を併せた大道具を使わずに見た目だけで空間を表現する
漫画のエフェクトを違和感なく演劇に組み入れる事で生まれる臨場感、小道具の動きを映像にする事で生まれる圧倒的なスピード
目まぐるしく変わる場面や状況、決め台詞、技名などに文字を使う事で観客の意識を劇そのものから逃さない
未体験空間すぎて言葉ではとても表現出来ない
"漫画×演劇×映像のハイブリッドパフォーマンス"に震えました。
・舞台装置
そんな難しい装置でもないんですけど、語彙力がなさすぎるので重要な事だけ言うと、中央が回るんですね。
これが本当に影の主役で、漫画って映画より更にカメラがぽこぽこ変わるじゃないですか。
そういった光が当たる人の切り替えとか注目のさせ方、(何せ常に狭いコートに12人もいるわ外野に5-6人もいるわなので)平面の演劇では限界がある場面を、本当に漫画を読んでいるかのように感じた。
言うまでもなくバレーボールっていうターン制で縦にも横にも動きがあるスポーツの表現ね。ただの回る台、神。
俺的舞台装置ベストバウト
ワイドブロード!!
マジでワイドブロードでした。残念だな~みんなハイステのワイドブロード見られなくて
・周囲の動き
演劇って何公演もやって寸劇とか色々あってっていうのも楽しみ方の1つですよね。自分は1回しか見てないので1回きりなんですけども。
回想中とかは違うんだけど、本当に試合中全員が、全演出が常に動いてるのね。ちょこっと前述した通り目移りして付いていけないわけじゃないんだけど、圧倒的情報量で全部は見てられないわけ。
ああこれ、もう1回見たくなるやつだ…って死を覚悟しましたね。
・全員主役
ちょっとこれ原作と違う点だから特別1枠設けるんだけど、烏野VS青葉城西(1回目)って、及川のサーブ練習回想と影山のコート上の王様回想があるじゃないですか
あれ、ハイステで2回ずつやったんですよ。
全く同じのを2回やったわけじゃなくて、ここも本当に思い返すと上手いなというかありがとうというか
ハイキューの"全員主役感"って凄いハイキューたる要素だと思ってて、これをちゃんと表現するために及川のサーブ練習回想を及川サイドと影山サイド、コート上の王様回想も同様に2回やるんですね。
漫画じゃ出来ない、演劇ならではのカッコいい演出だと思いました。
・感想。(強調)
山口くんのサーブが入るかと思った。いや、入ってくれと祈った。入らない。勝負事で本当に楽しむ為には強さが要る。入らないのだ。泣いた。涙こそ流れていないが20代に入ってから感動で胸がいっぱいになったのは初めてだ。
隣からはすすり泣く音が聴こえる。俺は泣いちゃだめだ。耐えるのだ…次は入れるんだ山口。
女オタク向けコンテンツは本当に質が高い。確信に変わった。ずるい。
・86点
ではこれだけ面白かったのに何故100点を踏みとどまってしまったのか、情では100点なのに理では100点ではないとはどういう事か…簡単に残しておく
女性向けに作られている
他人の気持ちなど分からないし、作った人たちはそんな事考えてもないかも知れない。けど俺がそう思ったものは思った。
100点というのは本当に非の打ち所のない、もしくは大幅な加点が求められる。少し雑念が入ってしまった。申し訳ない
劇自体が難しいせいか少し荒削り感がある
スピード感や視覚的な面白さとはトレードオフなのかも知れないが、少し気になってしまった。
・二次創作
これはファン的にはどう思うのだろうか。とか言って俺もファンだよ。
コートの外だったり幕間だったり日常(?)描写って、いわば"公式の二次創作"と言えるわけなんですよね
自分はハイキュー過激派を名乗れるほどの過激なファンではありませんが、それでも十二分に燃える程度にはご飯を頂きました。
そういう意味で演劇は公式の二次創作の中ではかなり位の高い、沼でこそこそと草の根っこをかじってたらブラックダイヤモンドが出てきたみたいな衝撃を受けました
・女性向けコンテンツとは
ハイステは霧山よん先生に勧めてもらうまで全く存在を知らず、そんな中先生は信頼出来るとか言って見に行ったらこのハマりよう…でありまして、その霧山よん先生が言っておられたんですが
ひふみ「女性向けコンテンツって何でこんな面白いの?ずるくない?」
先生「それはなオタク、女性は金を惜しまねーからだよ」
ひふみ「…!!」
確かに。他にもこう言っておられた。テニミュをニコ動で見て俺らはゲラゲラ笑ってたけど、多分現場の姉ちゃんはそれどころじゃなかったんだろうなって。本当にその通りですわ。
情熱だけでも、金だけでも、それではエンタメは守れないんだ~~……
・次回、「初回公演」
今回は凱旋公演だったからチケット買えたんだね。
次回はみんなで大戦争!